【周手術期】縫合不全のドレーンの色は?縫合不全の観察と看護計画

周手術期の実習では、術後の患者さんを受け持ち看護を行っていきます。

術後の合併症には様々な種類がありますが、縫合不全は消化管の手術の時に重要になります。

縫合不全は腹腔内で起こるため、ドレーンの排液などの情報がポイントになるので、しっかり理解しておくことが大切になります。

今回は、縫合不全の観察と看護計画についてお伝えしていきます。

縫合不全とは吻合部から漏れ出ている状態

縫合不全とは、食道や胃、腸などの吻合部から消化管内容物が漏れ出ている状態のことです。

消化管の手術の時に注意が必要な術後合併症であり、術後3〜10日ごろに発症することが多いです。

吻合とは臓器同士をつなぎ合わせること

消化管の手術では、胃や腸を切除した後に、残った消化管同士をつなぎ合わせる作業を行います。

この消化管をつなぎ合わせることを吻合と言います。

縫合は、吻合を含む筋膜や皮膚などを縫い合わせることを指します。

縫合不全は消化管の手術で起こる

縫合不全の原因は以下の通りです。

  • 低タンパク血症
  • 肥満
  • 糖尿病
  • 吻合部の過度の緊張や血行障害
  • 感染

これらが原因となり、縫合不全の症状が見られます。

手術操作では問題なく吻合が行われていた場合でも、上記の原因により縫合不全が起こることがあります。

特に、消化管の手術は不潔部位も多いため感染のリスクが高いと言われています。

縫合不全の成り行き

縫合不全を起こしてしまうと、消化管液が腹腔内に流れ出てしまうため腹膜炎を起こしてしまいます。

消化管駅には、胃液や胆汁、膵液、十二指腸液がありますが、手術部位によって漏れ出す危険性がある消化管液の種類も変わってきます。

縫合不全の症状

縫合不全の症状は以下の通りです。

縫合不全の症状
  • 腹痛
  • 発熱
  • ドレーン内に消化管液が排出
  • 頻脈
  • 腸蠕動微弱
  • 白血球増加
  • CPR値の上昇
ドレーンの排液だけでなく、患者さんの腹痛の訴えなどを見逃さないように観察を行うことが必要になります。

ドレーン排液の観察ポイント

消化管の手術では、ドレーン排液の色の観察が重要になります。

ドレーンの正常な色異常な色をしっかり理解しておくことが必要になります。

正常なドレーンの色の推移
  • 血性or淡血性→淡々血性→淡黄血性→漿液性
異常なドレーンの色
  • 黄色、黄土色、茶色、緑:胆汁ろう、消化液の漏出の危険性
  • 褐色、ワインレッド、白濁:膵液ろう(酸っぱい臭い)
  • 茶色、 便汁:直腸の縫合不全
胆汁ろうは胆汁が漏れていることであり、主に胆管切除後の縫合不全で見られることがあります。

褐色やワインレッドは、膵液が漏れている状態であり、酸っぱい臭いが特徴です。

膵液の漏れは膵頭十二指腸切除などで見られることがあり、膵液は周囲の臓器を溶かしてしまうため大出血にもつながり注意が必要です。

茶色や便汁は、直腸の手術で見られ、便が腹腔内に漏れ出ている状態です。

縫合不全が起こってしまったら?

縫合不全が起こってしまった場合は、絶食になり中心静脈栄養などの治療が行われます。

絶食になる理由は、吻合部の過度の緊張や血行障害を最小限に抑える必要があるからです。

開放式ドレーンを使用している場合は、ドレーンの排液が皮膚に直接ついてしまわないよう、スキンケアなどのケアも必要になります。

消化管液が含まれた排液が皮膚に接触してしまうことでスキントラブルの原因にもなります。

縫合不全は予防することが大切

縫合不全は、術前の栄養状態や血糖コントロールを行い予防することが大切になります。

術後は高血糖状態になりやすいため、糖尿病の既往がある患者さんの場合は特に血糖コントロールがポイントになります。

また、早期発見を行うためにドレーンの排液の観察をしっかり行うことも大切になります。

縫合不全を起こしてしまうと術後の治癒遅延の原因になってしまうため、早期発見できるよう観察力を身につけましょう。

縫合不全の看護目標

縫合不全の看護目標の一例を見ていきましょう。

長期目標
縫合不全を起こさず退院できる
短期目標
  • ドレーン排液の異常が見られない
  • 発熱や腹痛の症状が見られない
  • ドレーンが問題なく抜去できる

縫合不全の看護計画

O-P(観察項目)

①現在の状況についてのアセスメント

  • ドレーンの排液の性状・量
  • ドレーン周囲の皮膚の状態
  • 創部のガーゼ汚染の有無
  • バイタルサイン(血圧・体温)
  • ドレーンの閉塞の有無
  • 食事摂取量
  • 腸蠕動

②術後感染症の症状についてのアセスメント

  • ドレーン排液の色・量
  • 腹痛の訴え
  • 発熱
  • 血液検査データ(WBC、CRP値の上昇)
  • 腸蠕動

T-P(援助項目)

①ドレーンの観察を行う

  • ドレーンの排液が正常の色の変化であるか

②ドレーン刺入部の皮膚の清潔保持

  • ガーゼ交換は無菌操作で実施する
  • 浸出液や汚染が見られたら交換を実施する

③移動時の介助を行う

  • ドレーン挿入時の移動は介助で実施する

④食事摂取状況を観察する

  • 患者さんの状態と主治医の指示に従い食事形態を上げていく

E-P(患者教育項目)

  • 縫合不全の必要性を説明し、該当する症状が現れた場合はすぐに伝えるよう説明する
  • 創部を清潔に保つ必要性を説明し、汚染があればすぐに看護師に伝えるように指導する
  • 移動時の介助の必要性を説明し、体動により抜けないように指導する

看護計画のポイント

縫合不全はドレーン排液の情報や症状の訴えから、早期発見することが大切になります。

ドレーンの排液の観察を行うだけでなく、患者さんにも症状を説明し、異常があればすぐに伝えるよう声かけを行うことが必要です。

また、体動時はドレーン抜去の危険性も高いため、抜去を予防するための指導や介助もポイントになります。

縫合不全を理解するために

縫合不全は、様々な要因によって起こる可能性が高い術後合併症です。

特に消化管の手術の場合は、縫合不全のリスクが高くなるため、ドレーン排液の観察が大切になります。

異常を早期発見するためには、正常を知っておくことが必要になるので、異常を判断できるよう知識を身につけましょう。

ドレーンの勉強にオススメ

周手術期の実習では、腹腔ドレーンを挿入した患者さんと出会う機会も多いです。

ドレーンの観察は実習だけでなく、看護師として働き出してからも重要になる項目です。

この参考書では、ドレーン排液の性状がカラー写真で分かりやすく紹介されているので、ドレーン排液の勉強にオススメです。

可愛いイラストが載っているので、絵本のような感覚で知識を身につけることができます。

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