術後バイタルサインの基準値は?実習で使える観察項目チェックリスト付き

手術後は患者さんの容態も変化しやすいため、頻回な観察とバイタルサイン測定が必要になります。

頻回な観察とバイタルサイン測定の目的は、異常の早期発見を行うためです。

学生の中には、術後のバイタルサイン測定の観察項目と基準値が分からない人もいると思います。

今回は、術後バイタルサインの基準値と観察項目についてお伝えします。

術後バイタルサインは異常の早期発見のために行う

術後は手術や麻酔の影響もあり、急変なども起こりやすい状況です。

特に、呼吸状態や術後出血などは患者さんの命に関わる合併症であるため、早期発見が大切になります。

術後は頻回にバイタルサインの測定や観察、モニタリングを行い異常の早期発見に努めます。

異常の発見を行うためには、異常の状態をしっかり理解することが必要です。

術後バイタルサインの観察項目

患者さんが病室へ帰室した後は、すぐに病室の環境を整え、患者さんと家族が安心できるように努めます

術後バイタルサインは、術後2時間は30分間隔で実施し、その後は適宜頻回に観察を行います。

術後バイタルサインの観察項目は以下の通りです。

  • 意識レベル
  • シバリングの有無
  • 呼吸状態
  • 循環状態
  • 体温
  • 悪心・嘔吐の訴え
  • 疼痛の訴え
  • 麻酔の状態(硬膜外麻酔の場合)
  • 尿量
  • ドレーンの出血量
  • 創部の状態
  • 点滴

これらの観察項目をモニタリングを行いながら、観察を実施していきます。

術後バイタルサインの基準値

術後バイタルサインの観察項目と基準値のポイントについて見ていきましょう。

意識レベル

術後は麻酔から覚醒して病棟に帰室します。

意識レベルは、刺激をしなくても覚醒している状態が正常であり、術前より意識レベルが落ちている場合は異常になります。

また、呼びかけに対してしっかり応答できているかも評価します。

シバリング

シバリングは、身体の震えにより熱生産を起こし体温調整を行う生理現象です。

術後に見られることが多く、シバリングが続くと酸素消費量が増加して体内がアシドーシスに傾いてしまいます。

シバリングが続いている間は、体温が上昇しても保温は継続して行うことが必要です。

呼吸状態

呼吸状態は、呼吸回数が8〜25回以内であり、呼吸困難が見られず努力呼吸ではない状態が正常になります。

術後は、低酸素血症を予防するため、酸素投与を行いながら病室に帰室します。

SpO2が96%以上キープできている、も大切な情報になります。

SpO2の低下が見られた場合、呼吸状態に異常が起きていることが考えられるため、すぐに医師に報告します。

循環状態

術後は麻酔薬の影響もあり血圧が低い状態ですが、帰室後は血圧も上がり安定してきます。

血圧の基準値は、術前の±20%以内であり、あまりにも高い場合は注意が必要です。

血圧の上昇として考えられる要因としては、術後の疼痛などが挙げられるため、疼痛に対して鎮痛薬を使用するなどのコントロールが必要になります。

また、脈拍は60〜100回/分、モニター上で不整脈がないことも観察します。

体温

術中は全身麻酔薬の影響で、体温の閾値間隔が34〜38℃まで広くなります。

麻酔覚醒後は、手術侵襲の影響を受け体温の上昇が見られます。

体温上昇は正常な経過の流れであり、36℃以上40℃以下が基準値となります。

悪心・嘔吐の訴え

術後は麻酔薬の影響により、悪心、嘔吐の訴えが見られることがあります。

特に硬膜外麻酔を実施している患者さんに見られることが多く、悪心・嘔吐が強い場合は医師に報告を行い、硬膜外麻酔のストップなどの対処を行います。

嘔吐が見られた場合、嘔吐物で窒息しないよう対処することが必要です。

疼痛の訴え

術後は創部の痛みが出現することで、痛みの訴えが見られます。

痛みを我慢することで血圧上昇の原因になるため、鎮痛薬を使用してコントロールを図ることが大切です。

疼痛は個人差があり評価が難しいため、必ずスケールを使用して評価を行います。

麻酔の状態(脊椎麻酔の場合)

手術によっては、全身麻酔ではなく脊椎麻酔で実施されることもあります。

脊椎麻酔の場合、時間の経過とともに感覚も戻ってくるため、麻酔レベルや感覚、痺れの有無などの観察を行います。

時間が経っても痺れたまま、感覚が戻らないなどの場合は異常と判断されるため、すぐに医師に報告を行います。

尿量

術後は膀胱留置カテーテルが挿入され、尿量の管理を行います。

術後は輸液や出血、ドレーン排液、尿など水分が失われることを考慮して、輸液管理が必要になります。

尿量が減少してしまうと急性腎不全などの危険性があるため、尿量は重要な情報になります。

尿量の基準値は、0.5mL×(体重)kg/h(時間)以上を維持になります。

尿量は1時間ごとに観察を行い、基準値を下回った時は医師に報告を行います。

ドレーンの出血量

開腹手術後などは、腹腔内にドレーンを留置した状態で帰室します。

術直後の排液は淡血性が正常になりますが、鮮血で量が多い場合は術後出血の可能性が考えられるため、注意が必要です。

ドレーンの出血量の基準値は、血性排液が100ml/h以上の場合は異常となります。

創部の状態

術後は創部にガーゼやフィルムタイプのドレッシング材で保護されており、出血による汚染は見られないです。

創部を覆っているガーゼに血性の出血が見られた場合、創部からの出血が考えられるため、医師に報告が必要になります。

また、創部だけでなくドレーン刺入部位や点滴の刺入部位も同時に観察を行います。

点滴

術後はインアウトバランスを保つために、輸液による管理が重要になります。

点滴は指示された量と滴下で管理されているので、滴下不良が起きていないかなども観察を行うことが必要です。

術後バイタルサインのチェックリスト

術後は観察項目が多く、実習に自信がない人も多いと思います。

術後バイタルサインの観察項目をまとめたチェックリストを作成したので、興味がある人は以下のリンクからダウンロードすることができます。

 

チェックリスト方式になっているので、印刷してバインダーに入れておくことで、すぐに活用することができます

これから周手術期の実習がある人は、ぜひ参考にして見てくださいね!

術後のバイタルサインをしっかり行うために

術後は手術侵襲や麻酔薬の影響で、患者さんの状態は変化しやすいです。

術後は出血などの合併症も起こりやすく早期発見することが大切になります。

術後合併症を予防、早期発見するためには、正常、異常をしっかり理解することがポイントです。

患者さんの安全を守るためにも、根拠を理解して観察を行うようにしましょう。

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