看護学生の実習では、膀胱留置カテーテルを挿入している患者さんに出会うことがありますよね。
膀胱留置カテーテルを挿入している患者さんは、感染のリスクが高くなるため清潔ケアを行うことが大切になります。
でも、実際に尿道カテーテルが入っている患者さんへの陰部洗浄のポイントが分からないと思っている人もいると思います。
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膀胱留置カテーテル挿入中は清潔にすることが大切
実習では、膀胱留置カテーテルを挿入している患者さんと出会う機会も多いです。
患者さんの中には長期間留置しなければならない人もいるので、清潔を保つことが必要になります。
膀胱留置カテーテルは感染の原因となる
膀胱留置カテーテルは、手術や長期間の床上安静、自立度に合わせて適応されますが、感染の原因になってしまうことが考えられます。
膀胱留置カテーテルを挿入していることにより、尿道から膀胱へ逆行性感染を引き起こしてしまいます。
そのため、長期間留置している患者さんは、尿路感染のリスクが高くなるため清潔ケアが重要になります。
膀胱留置カテーテルを挿入している患者さんは、基本的に毎日陰部洗浄を実施します。
膀胱留置カテーテル挿入中の陰部洗浄の手順
膀胱留置カテーテルが入っている患者さんに、陰部洗浄を行うときの手順を見ていきましょう。
準備物や大まかな流れは基本と同じ
準備物や大まか流れは基本的に変わりません。
陰部洗浄の基本的な手順は、以下の記事にまとめてあるので参考にしてください。
膀胱留置カテーテル挿入中の陰部洗浄【女性の場合】
女性の場合は、尿道口→小陰唇→膣→肛門の順番で一方向に洗っていきますが、尿道口を洗うときに尿道カテーテルの挿入部も洗います。
そして尿道カテーテルは、挿入部位から10cm程度の長さの部分まで洗います。
カテーテルを洗うときは、無理に引っ張らず、優しく洗うことがポイントです。
女性の場合は、おりものなどの分泌物がカテーテルの刺入部位に付着しやすいので、清潔にすることが大切です。
膀胱留置カテーテル挿入中の陰部洗浄【男性の場合】
男性の場合は、亀頭→陰茎→陰嚢の順番で一方向に洗います。
女性の場合と同様に、亀頭を洗うときに尿道カテーテルの挿入部もしっかり洗います。
そして、尿道カテーテルの挿入部位から10cmほどの長さの部分まで洗います。
膀胱留置カテーテル挿入中の陰部洗浄のポイント
膀胱留置カテーテルを挿入している患者さんの場合は、いくつかのポイントに注意しながら行うことが大切です。
膀胱留置カテーテル挿入中の陰部洗浄のポイントを見ていきましょう。
尿道カテーテル挿入部位はしっかり洗う
尿道カテーテルが挿入されている部位に、細菌などが付着して逆行感染を起こしてしまうため、刺入部位はしっかり洗うことがポイントです。
女性の場合は、おりものなどの分泌物によって汚染されやすいので注意が必要です。
尿道カテーテルは引っ張らない
尿道カテーテルは、引っ張ると痛みや出血を生じることがあります。
カテーテルの脱却を防ぐためにも、引っ張らず優しく扱うことが大切です。
尿道カテーテルも清潔にする
尿道カテーテルの刺入部位だけでなく、刺入部位から10cm程度の部分も清潔にすることがポイントです。
尿道カテーテルは膀胱内でカフによって固定されていますが、体動によりカテーテルが深く尿道内に入ってしまうことも考えられるため、刺入部位付近も洗いましょう。
膀胱留置カテーテル挿入中の陰部洗浄時の観察ポイント
膀胱留置カテーテルが入っている時の陰部洗浄で見ておきたい、観察のポイントを押さえておきましょう。
陰部の汚染状況
陰部は汚染されやすい部位でもあり、感染の原因になるため汚染状況を観察しておきましょう。
女性はおりものなどにより汚染されやすい環境であり、汚染の程度がひどい場合は適宜洗浄を行うなどのケアも必要です。
尿道カテーテルの尿もれの有無
尿道カテーテルが入っているのにも関わらず、尿もれが起こる場合もあります。
この場合は、体動やカフ水の減少などが考えられるため、対処することが必要になります。
尿道カテーテル挿入部位のトラブルの有無
尿道カテーテルが挿入されていると、挿入部位付近に皮膚にトラブルが起こることがあります。
出血や潰瘍、かゆみ、かぶれなどの皮膚トラブルが起きていないか、なども観察することが必要です。
膀胱留置カテーテル挿入中のケアを理解するために
実習では、膀胱留置カテーテルが挿入された患者と遭遇する機会も多いので、膀胱留置カテーテルが挿入されている場合のケアの方法も知っておくことが必要です。
特に、膀胱留置カテーテルからの尿路感染も多いので、ケアを行い清潔に保つことが大切になります。
意思疎通ができない患者さんは、症状を訴えることができないので、しっかり観察を行い看護者が気づくことが重要になります。
看護技術の勉強にオススメ
看護実習では受け持ち患者さんを通して、看護や技術を身につけて行きますが、安全に行うためには正しい知識が必要になります。
看護学生時代に行う基礎看護技術は、看護師になってからも必要になる技術です。
この参考書は、看護技術が写真とイラストで詳しく紹介されているので分かりやすいです。