体位と角度が大切!誤嚥を防ぐ食事介助の根拠と正しいポイント

病院でも施設でも行う機会が多い食事介助。

誤嚥を防ぐためには根拠を理解して介助を行うことが大切です。

高齢者は誤嚥を起こしていても自覚症状がない人も多いです。

誤嚥性肺炎などを予防するためには、日々の食事介助から気をつけることが必要になるのです。

誤嚥を予防する食事介助のポイントを知っておくことで、実習でもスムーズに介助することができますよ!

今回は、誤嚥を防ぐ食事介助の根拠と正しいポイントについて紹介します。

食事介助の目的

  • 患者の障害に応じて環境や姿勢を整え、食欲を刺激して必要な栄養素の摂取を促すこと。

食事介助が必要になる理由

  • 消化機能に問題はないが自分で食事を摂取できない場合
  • 補助具があれば食事摂取ができる場合
  • 食欲不振で介助が必要な場合
  • 視力障害があり食事摂取に介助が必要な場合

必要物品

  • お箸やスプーン、エプロンなどの食事に必要な物品
  • 自助具
  • 口腔ケア用のスポンジ
  • ガーゼ
  • 歯ブラシ
  • ガーグルベースン

アセスメントと観察項目

患者の体調

  • 消化管(口腔、食道、胃腸)の状態
  • 手術・検査などの行われている治療の影響
  • バイタルサイン
ポイント
治療によっては副作用で食欲不振などが見られることがあるので、しっかり把握しておきましょう。

ADL

  • 摂食・嚥下障害の有無や程度
  • 身体機能の障害、失行、視覚障害の有無
  • 姿勢保持困難の有無や程度
  • 治療などに関連した体位上の制限
ポイント
整形外科では体位上の制限などの指示がある場合が多いです。また、脳疾患による後遺症で身体機能の障害がある患者さんも多いです。

食事の形態

  • 提供されている食事の形態
ポイント
検査前には検査食に変更されていることもあります。きざみ食やおにぎりなど患者さんの状態に合わせてメニューが選択されています。

準備

ポイント
食事前は食事がしやすいように環境を整えることが必要です。
義歯がある場合は、装着します。
体位は自立度に合わせて適切な選択を行い、頚部前屈位に整えます。
根拠
頚部前屈位にすることで気道の入り口が狭くなり、誤嚥防止につながります。

食事を摂る前に口腔ケアを済ませておきます。

根拠
口腔ケアを行うことで唾液の分泌が促進され、誤嚥性肺炎の原因になる細菌を減らすことにもつながります。

自力で食事摂取ができる患者さんの場合

自力で食事摂取ができる患者さんの場合は、自分で食事ができるよう環境を整えることが大切です。

ベッド上座位

1.ベッドを挙上し姿勢を保持する。

ポイント
姿勢が保持できない場合は、クッションなどを使用して調整します。

2.オーバーテーブルを患者の近くにセットする。

3.食事が来たら配膳する。

ポイント
氏名と食札を確認してから配膳し、必要があれば食べやすい大きさにするなどの介助を行います。

4.ナースコールを手の届く位置にセッティングする。

側臥位

1.エプロンやタオルを患者の胸元から食事トレーの下に敷き、トレーを置く。

2.クッションや枕を使用して安定を保つようにする。

ポイント
膝などは薄いクッションを入れて1点に圧がかからないように注意します。

3.お茶などの水分はストローや吸い飲みなどを使用する。

ポイント
側臥位の場合は、お箸などを使って食べ物を取りにくいため、一口大のおにぎりやスプーンを使って食べられるように環境を整えましょう。

自力で食事が摂取できない患者さんの場合

自力で食事摂取ができない患者さんの場合は、誤嚥に気をつけながら介助を行うことがポイントです。

ベッド上座位

1.上体を起こして体位を整え、患者と同じ目線になるように座って介助を行う

根拠
患者さんの目線より高い位置から介助を行うと、食べるときに頚部が上に向いてしまうので誤嚥しやすくなります

2.初めは汁物から勧め、主食と副食を患者の希望も考慮しながら介助を行う。

根拠
汁物から勧めることで口腔内を湿らせ、唾液の分泌を促したり食道の通過を円滑にする効果があります。

3.口に入れる1回の食事量は、口の中に入れやすい小さなスプーン1杯を目安にする。

4.嚥下したことを確認してから次の食物を口に運ぶ。固形物の後は水分を摂取できるよう介助を行う。

根拠
水分を含ませることで味を感じやすくなり、食べ物に食塊にさせやすくします。

5.片付けを行い、口腔ケアを行う。最低でも30〜1時間程度は上半身を挙上する。

ポイント
食後に横になってしまうと胃からの逆流が起こってしまうため、食後は上半身を挙上させます。

食事中に誤嚥してしまった時

食事介助中に誤嚥してしまうことも見られます。

  • 激しい咳き込みや喘鳴
  • 表情が苦痛様になる
  • 呼吸困難やチアノーゼの出現

これらの症状が見られた場合は、すぐに食事を中止してナースコールを押して看護師を呼びましょう。

処置の方法としては以下の通りです。

1.吸引を行う

  • 咳き込んでいる時は上半身を下にして背部を叩打し、誤嚥物を気管から排出する
  • 意識がなく口腔内に食べ物が残っている場合は、手で掻き出して処置しやすい様にする
  • 呼吸困難が治らない場合は、SpO2を測定して酸素吸入の準備をする

2.医師に連絡する

3.バイタルサインを測定する

食事介助のアドバイス

食事介助は、誤嚥の危険性もあるので患者さんのペースに合わせて介助を行うことが大切です。

失敗した例

  • 入れ歯がある患者さんだったのに、入れ歯を入れ忘れて食事介助を行なってしまった。
  • 食事形態が患者さんの状態と合っていなかった。
  • 声かけが十分にできておらず、口に入れたスプーンを噛んで離してもらえなかった。
  • どれくらいのペースで介助して良いか分からず、時間がかかってしまい食事が冷めてしまった。

食事介助は患者さんに合わせて行う必要があるので、難しいと感じる場面も多いです。

特に誤嚥してしまうと命に関わるため、すぐに報告するなどの対処が必要です。

良かった例

  • 視覚障害がある患者さんの介助だったが、細かい声かけを行うことで食事を楽しむことができた。
  • 食事が配膳されたらメニュー表と食事を説明してから介助を行うことで、食べたいものを聞くことができた。

食事介助はルーチンワークになっている人も多いと思います。

患者さんにとって、食事は楽しみの一つであることも多いので、声かけを行いながら進めることが大切です。

まとめ

食事介助は誤嚥の危険性もあるので怖いと感じる人もいるかもしれません。

誤嚥を予防するためにも、患者さんの状態を観察しながら介助を行うことが必要になります。

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