呼吸とは、酸素を取り入れ代謝によって生じた二酸化炭素を排出する過程のことを言います。
呼吸の異常は生命の危機にも関わるため、異常の早期発見が必要になります。
また、呼吸は自分の意思でコントロールすることができるため、気づかれないように観察することがポイントになります。
呼吸の観察ポイントを押さえておくことで、実習でも活用することが出来ますよ!
コンテンツ
呼吸測定の目的
- 呼吸数、リズム、深さ、呼吸音の観察を行うことで、呼吸状態の変化を把握するため。
呼吸測定が必要になる理由
- 正常呼吸を逸脱している場合
- 異常呼吸を呈している場合
- 呼吸器疾患や呼吸機能障害がある場合
呼吸測定を行う際の留意点
- 測定を行う際は患者に気づかれないように測定する
- 安静時に呼吸測定を行う
呼吸測定のアセスメントと観察項目
呼吸数
正常な呼吸数は、成人は15〜20回/分となっています。
呼吸のリズム
頻呼吸、徐呼吸、過呼吸、減呼吸、多呼吸、小呼吸など
呼吸パターン
呼吸音
副雑音の有無やラ音など
肺機能
1秒率や肺活量など
チアノーゼ、顔面蒼白
不安・興奮状態
呼吸時の体位
起坐位、前傾姿勢、側臥位など
呼吸測定の必要物品
- 秒針がついた時計かストップウォッチ
- 聴診器
呼吸測定の手順
1.脈拍測定を行いながら気づかれないように呼吸を測定する。
2.胸郭や腹部の上下運動を観察し、1分間の呼吸数を測定する。
3.可能であれば座位をとってもらい、口からゆっくり深呼吸をしてもらい呼吸音を聴診する。
4.鎖骨上方から聴診を始め、上葉、中葉、下葉の順に1ヶ所で1呼吸以上聴診する。
5.測定中に呼吸音の減弱や消失、左右差、副雑音などが見られた場合は聴診部位を明らかにする。
6.聴診が終わったら患者の寝衣を整えて、結果を記録する。
呼吸測定のアドバイス
呼吸測定は患者さんに気づかれないように測定することが、正しい測定を行うポイントになります。
また、高齢者などは呼吸器疾患にかかっていても自覚症状がない場合も多いので、日々の観察を行うことが異常の早期発見につながります。
失敗した例
- 脈拍測定をしながら呼吸測定を行なったが、患者さんが話し好きな人で測定が大変だった。
- 呼吸音を聴診したが、異常な呼吸音の種類が分からず報告に困ってしまった。
- 深呼吸するように伝えたら声に出して深呼吸を始めてしまったので、聴診がしにくくなってしまった。
呼吸測定は脈拍測定をしながら測定をすることが多いですが、話が好きな患者さんなどもいるので、測定中は安静を保ってもらうことを伝えておきましょう。
また、呼吸音では深呼吸してもらう必要がありますが、声に出して深呼吸をする患者さんもいるので、「静かに深く呼吸をしてください」と説明することも大切です。
実習で呼吸測定を実施した時は…
実習で呼吸測定を実施した時は、脈拍測定をしながら実施しましたが、測定に時間がかかっていたため脈拍に異常があるのか心配されてしまいました。
また、分厚い服を着込んでいる患者さんは、目視での測定が難しいため、バイタルサインを測定する時は、室温の調整を行い上着を脱いでもらうように声かけを行なっていました。
まとめ
呼吸の異常は生命に関わるものも多いので、早期発見が大切になります。
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