陰部洗浄はなぜ毎日必要?陰部洗浄の根拠と手順のポイント

陰部洗浄は陰部の清潔を保つためのケアの一つですが、基本的にどの病院や施設でも毎日行われます。

清拭やシャワーは毎日ではないのに、なぜ陰部洗浄だけ毎日やるの?と疑問に思った人もいるかもしれません。

陰部は汚染しやすい場所であり、カテーテルを留置している場合は尿路感染の原因となってしまいます。

陰部洗浄は、感染予防から洗い方の手順が決まっているので、実習で慌てることがないようにマスターしておきましょう!

今回は、陰部洗浄の根拠と手順のポイントについて紹介していきます。

陰部洗浄の目的

尿や便、分泌物などの排泄物で汚染しやすい陰部の清潔を維持し、臭気の発生や尿路感染を予防するため

陰部洗浄が必要になる理由

入浴やシャワー浴ができず、陰部の清潔が自分で保てない場合

陰部洗浄が毎日必要な理由

陰部は、他の身体のどの部位よりも悪臭や汚染される機会が多いです。

では、なぜ毎日陰部洗浄が必要なのでしょうか?

  • 陰部が肛門と近い
  • 細菌が繁殖しやすい
  • オムツやベッド上排泄により感染の確率が高くなる

これらが陰部洗浄が必要な理由になります。

陰部は肛門と近く、排泄物の汚染などにより陰部へ細菌が侵入しやすくなっています。

また、肛門部にはアポクリン腺が分布しており、粘膜からの分泌物だけでなく女性の場合は、膣からの分泌物もあります。

そして、湿度や湿気、暗さなどの条件により細菌が繁殖しやすい環境なのです。

これらの状況で、オムツの使用やベッド上排泄、カテーテルの使用を行うと感染の確率が高くなってしまうのです。

このように感染を起こしやすい状況である陰部を清潔に保つことで、尿路感染や皮膚トラブルを予防することができるのです。

陰部洗浄を行う際の留意点

  • 不要な露出は避けプライバシーの保護に努める
  • 湯の温度に注意する

陰部洗浄のアセスメントと観察項目

ADL(自立度)

自分でできるかどうか、ベッド上制限の有無、体位保持の程度など

カテーテルの挿入

膀胱留置カテーテルの有無、固定水の漏れ、汚染の程度など

外陰部の状態

ただれや発赤、痒みの訴えの有無、汚染の状態

性器、外性器の疾患

感染症の有無や程度

膀胱、尿道の疾患

尿路感染の有無など

陰部洗浄の必要物品

  • 陰部洗浄用ボトル2本程度
  • 微温湯(38〜39度)
  • 防水シーツ
  • 石けん
  • ガーゼ
  • 汚物用ビニール袋
  • バスタオル
  • 新しいオムツ
  • (必要に応じて)便器
ポイント
微温湯は、皮膚に比べて熱に弱い粘膜を洗うため、清拭の時よりも低めの温度を準備します。

陰部洗浄の手順

ベッド上で実施する場合

1.患者に陰部洗浄を行うことを伝え、同意を得る

2.物品を準備して、室温の温度を上げるなど環境を整える

3.寝衣を脱がせ、防水シーツをお尻の下に敷きこみ、バスタオルや綿毛布で片足ずつ足先まで覆う。

根拠
両下肢を別々に覆うことで開脚がしやすく、処置に必要な視野が得られることと、保温のためです。

4.手袋とエプロンを着用し、オムツを開きしっかり伸ばす

ポイント
オムツを開いた時に排便が見られたら、ペーパーで拭き取りオムツを下にずらし、汚染していない部分が臀部に来るようにします。

5.尿取りパッドを使用している場合は、汚染がなければ尿取りバッドを使って陰部洗浄を行うこともある。汚染している場合はオムツを使用する。

6.恥骨部から鼠蹊部にかけてトイレットペーパーを当てる

根拠
恥骨から鼠蹊部にトイレットペーパーを当てることで、腹部や背部への湯の流れ込みを予防するためです。

7.洗浄ボトルの湯温を確認し、患者に少しかけて熱くないか確認する

8.湯で絞ったガーゼに石けんをつけ、恥骨部から鼠蹊部、肛門部にかけて広範囲に洗浄する

ポイント
肛門部分に汚染がある場合は、側臥位に体位変換を行い洗浄します。

9.陰部に湯をかけ、新しいガーゼに石けんをつけて洗う。カテーテルが挿入されている場合は、カテーテル挿入部位とカテーテルもしっかり洗う

女性の場合:大陰唇を開いて、尿道口→小陰唇→膣→肛門の順番で一方向で、ガーゼの面を変えながら洗っていく

男性の場合:陰茎を持ち、包皮を下にずらして、亀頭→陰茎→陰嚢の順番で一方向に洗う。

根拠
肛門側から尿道周辺部への大腸菌を含む細菌感染を防ぐため、一方向で洗います。
ポイント
女性の場合は、大陰唇と小陰唇の間に汚れが溜まりやすく、男性は陰嚢の裏側が蒸れやすく痒みが生じやすいのでしっかり洗いましょう。

10.湯で十分洗い流し、石けん成分が残らないように注意する

11.手袋を外し、ガーゼやタオルで水分を拭き取り、汚れたオムツと防水シーツを取り外して新しいオムツを当てる

12.オムツを装着して寝衣や体位を整える

トイレで実施する場合

1.車椅子や歩行介助でトイレに誘導し、自力でできる場合はウォシュレットを使用して自分で実施してもらう

2.介助が必要な場合は、陰部洗浄ボトルや石けん、ガーゼを準備して便座に座った状態で行う

3.便座に座った状態で大腿部を開いてもらい、手袋をはめた手で陰部を洗う

4.ウォシュレット機能を利用して石けん成分を洗い流し、水分を拭き取る

ポイント
前部分はウォシュレットで洗い流しにくいため、陰部洗浄ボトルを使用して洗い流します。

陰部洗浄のアドバイス

陰部は分泌物などで汚れやすく、患者さんにとって不快感の原因にもなります。

また、陰部の汚れを気にしているけど言い出せない患者さんも多いです。

陰部を清潔に保つことで、患者さんのストレスの軽減にもつながります。

失敗した例

  • 恥骨部分を洗浄した時に、湯がお腹へ流れてしまいシーツを濡らしてしまった。
  • 複数枚ガーゼを準備していたが、汚染が酷くガーゼが足りなくなった。
  • どのタイミングで手袋を外して良いか分からなかった。

陰部洗浄では恥骨部分まで広範囲に洗浄を行いますが、トイレットペーパーではなく陰部用のタオルを使用すると湯の流れを防ぐことができます。

また、排便などがあった場合は、肛門部分も洗浄するため、多めにガーゼは準備しておきましょう。

手袋を外すタイミングですが、湯で石けん成分を洗い流し、洗浄が終わったら手袋は外します。

洗浄で使用した手袋でオムツ交換を行うと、汚染してしまうため、手袋は外して実施しましょう。

実習で陰部洗浄を実施した時は…

陰部洗浄の準備で、石けんガーゼを使用しますが、泡立てるのに時間がかかるため、あらかじめビニール袋に石けんとガーゼを入れておき、濡らして袋を揉んであわ立てたものを準備していました。

実際に患者さんに使う時は、微温湯で温かい湯をかけてから使用します。

微温湯は足りなくなると困るので、オムツ内排泄の患者さんの場合は、2〜3本ほど多めに準備しておくと洗浄の時に困りません。

まとめ

陰部洗浄はデリケートな部分でもあるので、患者さんにとっては羞恥心を与えるケアでもあります。

しかし、陰部の汚染から尿路感染に繋がることも多いので、しっかり必要性を説明し協力を得ることが大切です。

実施中は声かけを行いながら、患者さんの反応もしっかり確認しましょう。

陰部を清潔に保つことで、患者さんの爽快感につながり感染予防にもなるので、毎日ケアを行うことが必要です。

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