寝衣交換は清潔援助の一つであり、実習でも実際に行う機会が多いです。
患者さんの中には、腕に点滴が入っている人もいるので、寝衣交換の時には注意しながら実施しなければなりません。
点滴が入っている時はどうしたら良いの?と思った人もいるかもしれません。
点滴が入っている時は、一時的に止めて袖から通して着替えを行います。
病院では点滴が入っている患者さんと出会うことが多いので、覚えておくことで実習で慌てずに済みますよ!
コンテンツ
寝衣交換の目的
- 発汗や分泌物などで汚染した寝衣を交換することで、皮膚の生理機能を良好に保つため
寝衣交換が必要になる理由
- 病状や身体的制限により自分で着替えができない臥床患者の場合
寝衣交換を行う際の留意点
- プライバシーの保護に努める
- 室温や冷感を与えないよう環境を整える
寝衣交換のアセスメントと観察項目
全身状態
バイタルサイン、安静度、創部の有無、点滴の有無など
寝衣の汚染状況
汚染部位、汚染の種類など
疼痛
疼痛の部位、程度など
四肢の機能評価
麻痺の有無、可動域、自分で動かせる範囲など
点滴
刺入部位、疼痛の有無、滴下状態、ルートの接続など
寝衣交換の必要物品
- 清潔な寝衣
- (必要に応じて)下着類
- ビニール袋
- 綿毛布
寝衣交換の手順
前開きのパジャマの交換
1.患者に寝衣交換を行うことを伝え、同意を得る
2.室温を調整し、カーテンを閉めておく
3.綿毛布をかけ、綿毛布の下でパジャマのボタンを外して前を開く。
4.点滴をしていない方から腕を通して脱がせる。
5.点滴が入っていない方を下にして側臥位になってもらう。
6.点滴をクランプするかチューブを屈曲させてエアーが入らないように注意しながら、腕を抜いた後に点滴を袖に通す。
7.新しい寝衣を、先に点滴を通してから袖に腕を通す。
8.点滴は点滴台に戻し、クランプを解放して滴下をチェックする。
9.背中に清潔な寝衣を押し込み、仰臥位になってもらい、反対側の腕を通して上着の前を合わせてシワを伸ばし、ボタンをかける。
10.ズボンを腸骨付近まで下げ、患者に膝を立ててもらい殿部を手で支えながら引き下げる。
11.清潔なズボンを片方ずつ足に通して引き上げ、腰回りのシワを伸ばす。
輸液ポンプの場合
輸液ポンプを行なっている患者さんの場合は、点滴のクレンメを止めて輸液ポンプの停止ボタンを押し、点滴を輸液ポンプから外して通します。
必ずクレンメを閉じて停止ボタンを押してからドアをオープンすることがポイントです。
寝衣交換のアドバイス
入院している患者さんの中には、汗や分泌物で寝衣が汚れていることもあります。
失敗した例
- 点滴を寝衣に通そうとしたがクレンメを閉じ忘れていた。
- 寝衣交換が終わってからクレンメを解放するのを忘れていた。
- 点滴をどこから通して良いか分からなくなった。
点滴を寝衣に通す時は、必ずクレンメを閉じていることを確認することが大切です。
また、点滴を通し終わった後は、クレンメを解放して滴下しているかも忘れずに確認しましょう。
点滴を寝衣のどこから通せば良いか分からなくなってしまうこともありますが、古い寝衣は外側から、新しい寝衣は内側から通すと上手くいきます。
実習で寝衣交換を実施した時は…
実習で寝衣交換を実施したときは、点滴を通す方向が分からず寝衣にルートが巻きついてしまったこともありました。
点滴や寝衣によっては、点滴袋が袖に通らないこともあり、そのときは接続を外して服を通しますが、点滴がチューブから漏れて寝衣を濡らすこともあるので注意が必要です。
寝衣交換の時は、全身清拭と組みわせることも多いですが、交換だけの時は背中をホットタオルで拭いていました。
寝衣交換まとめ
寝衣交換は汚れた寝衣を交換することで、患者さんへの爽快感にもつながる清潔ケアの一つです。
術後などは創部からの分泌物や出血などの汚染があるため、汚染部位の扱いには注意が必要です。
発汗や汚染の程度に合わせて部分清拭を行うことで、皮膚の清潔を保つこともできます。
看護技術を勉強したい人にオススメの参考書
寝衣交換は実習だけでなく、実際に働きだしてからも必要になる技術の一つです。
臨床では点滴などの処置を行なっている人と関わる機会が多いので、しっかり基本を身につけておくことが大切です。
寝衣交換などの実習で役立つ看護技術を勉強したい人には、この基礎・臨床看護技術の参考書がオススメです。